10年ぶりの照明デザイン奮闘記・その5ー組み立て合戦
さて、この日は工場に来れる最後の日。正確には 子供達が夏休み入る前の一人時間の取れる最後の日。 色々な働き方あると思いますが、「今の私」と「今の我が家の子供達」には、育児と家事の合間にデザインや企画をマイペースにしていくのが自然かと、色々失敗しての小康状態です。
そうは言っても、仕事は仕事。一人じゃ出来ません、つまり締め切り日、というわけで決めないといけないことが沢山あります。
まずは「ゆがみの修正」。紙には漉く際の繊維の方向性があり(紙目といいます。鉛筆のムキが紙目方向。)、その為に形が崩れてしまうので、紙を薄くするのか、構造を強固なものにするのか、ゆがみを考慮した「ゆがんだ型」を作るのか・・・
あれ?なんか、また加藤さんオリジナルモデルを作られている気が…笑
中心の折線を折らないで「フンワリとした形」の照明になっている!
・・・それにちっとも歪んでいないのはどうして?修正していないのに???
そういえば、最初の折り紙アイデア模型の時に考えていた時はフンワリとした形だったな。紙を厚くしたから、折らなくても「紙の張り」でも形状がもつんだ。いつの日からか、どんどんカッチリする方向に精度を上げてしまっていたけど(つい商品開発の目になって、ワークショップの参加者さんの工夫する余白を縮めてしまうー)
ふむふむ、いつも勉強になりますっ
私は、ゆがみの修正を「構造」で解決しようと、内側のハネをハトメでとめて、より強固なものにしようかと思っていたんだけど・・・
「ふんわりと仕上げたい」人も「カッチリと仕上げたい人」も両方okになったってことね!よかった、ナイス加藤さん!!!
じぁあ、どうして歪んでいないのかな?改善しなくていいの?
「正確な折り目で、正確に組み立て」れば、崩れないby「神の手をもつ」小野社長。
さりげない感じで完璧なモデルを折られてます。
でも、私が折っても歪むんですけど・・・子ども達はどうだろ?一般のレベルの人は?
ということで、一般代表・イデー自由が丘店長F氏に「4mmあそびを持たせたバージョン」を折っていただくことに。
「うーん遊びがないほうがいい気がするな」とか言いながら、このときは余裕でした。
自己申告制で「不器用」さんとのことでA氏も挑戦。(実際はご謙遜されてらしただけでした。京都の方なのかしら?)
折り始める皆さんに「ちょっと、ムキになっちゃいますよ」と軽い助言をするF氏。
1ミリ単位で穴を大きくしたり、スジの圧を強くしたりしたものを社長さんが抜いて下さる横で、なんとなく、みんながムキになってくる空気が漂い・・・
挙句の果てにムキになり過ぎて破いてしまった、器用なはずの竹尾のUさん(写真左奥) の悲しみっぷりに、
「やはりどんな子供でも、組みたてやすいようにしよう!!」と一致団結。
改善案を、私より熱く語るAさん。この間、相槌も打たずに、厚み違いのモデルを折る作業を続けるF氏。
そんなこんなで、型の刃を一部作り直していただくことに。
今日は「何度か折りなおすと紙が裂ける」ということも問題だったのですが、F氏は折る過程で何度も「加藤さんモデル」(山折り、谷折りが逆のモデル)を間違えて、折りなおしをするので、「何回か折りなおしても紙は裂けない」ディテールに改善されていることが、成り行き上確認できました・笑
結局、帰る寸前まで、F氏は「手直し」をし続けていました。「絶対、これ、大人のワークショップもやりましょう!!」と。時間ぎりぎりで次の打ち合わせ場所へ行かれました。
帰りの車でA氏は、F氏がずーっと黙っており続けていた様子をすごく嬉しそうにお話されていて・・・なんだか、自分でデザインした型を買ったことで、こんなに楽しい日々を過ごせるなんて夢のようです。
その頃、手持ち無沙汰な感じの社長さんは、私が喜ぶのを知っていて「遊びで」素敵な黄色の半透明の紙を抜いてくださいました~☆
こんなにたくさん折っちゃいました!!!こんなペースで折っていたら、私の仕事部屋(先月までは夫も使っていた部屋)はシェードで埋まってしまいそうです・爆
ワークショップが待ち遠しいですっ
**************************************************************
●土橋陽子の活動●
夏休みに、子供向けのワークショップを開催しております。
10年ぶりのデザインになる、紙(バルカナイズドファイバー)で照明を作ります。
現在、参加者募集しております!!!
お申し込みはイデーHPよりお願いいたします。
関連記事
「照明ワークショップの参加者募集しまーす」
「10年ぶりの照明デザイン奮闘記」
「10年ぶりの照明デザイン奮闘記-その2」
「10年ぶりの照明デザイン奮闘記-その3」
「10年ぶりの照明デザイン奮闘記・その4-下町工場編」