10年ぶりの照明デザイン奮闘記・その10-@洗足カフェ(作品集no.4)
内側に思い切り沢山の色のパステルを塗り、外側に飛行機や太陽を描いた小学生の男の子。点灯すると、内側のカラフルな模様が透けて楽しそうな雰囲気になります。
その日の夜、お母様からメールを頂きました。「ワークショップって楽しいけど、大概作ったものを持って帰って『どうしたもんか』っていうの多いかも~♪でも、これはきれいだし、息子もパパに自慢して練習用の紙で組み立て方を教えています・笑」
ドキーッとする、親の意見代表のような内容のメールを頂き、身が引き締まると同時に安堵のため息が漏れます。立場を変えてみれば(私も親として様々なワークショップに出かけますから)わかるーーー!!!とブンブン首を縦に振るフレーズです。それにしても、パパに組み立てを教えるとは・・・今度から「小学生先生」として、ワークショップ手伝ってもらおうかな・笑
材料多種類用意して「偶然を楽しみながら、個人製作」→「みんなで集めてひとつのものを作る」系のいわゆる「体験型ワークショップ」では、「持ち帰らせない」が親のためにも、子のためにも結果的には幸せですよね。(作ったこと、作業自体で満足していることが多いのでは?)*写真はオランダの建築家・ina&mattさんの「みんなでまちを作ろう」ワークショップに参加したときのもの
でも、今回のワークショップでご提供したいのは「自分で作った日用品を使う喜び」なわけで・・・親御さんが「どうしたもんか」とならないように、且つお子さんが「自分のお気に入り」である必要があり、そのせめぎあいがサポートするうえでの鍵になっています。
なので、その子が作業するうえで「きれい」に仕上げられる技術的なサポートは積極的に、作品の世界観に関しては一歩下がって関わるようにしています。(お母様が「このまま絵を描かないで欲しいわー」と呟かれていても、聞こえないフリをしてごめんなさいね♪)
淡い色調と大きなリボンが柔らかい雰囲気の小学生の女の子の作品。点灯しないと見えない内側にお花や星を描き、パステルをよくぼかして仕上げました。
何種類ものディテールのこだわりの終結で、本当にすごい集中力で仕上げた小学生の女の子。
内側の電球に近い羽に細かくあけた穴から光がこぼれて、パステルの色を際立たせています。
最初から、パステルでふちに模様を描くと決めて、明確な意思を持って作業に取り組む姿は、未来の作家さんのようでした~
彼女の色使いは、本当に繊細でヌードカラーでぼかして仕上げています。そこに模様をピンで細かくあけています。・・・点灯すると、そのこぼれた光で色が浮かび上がるという(!)繊細なしごとするなー、私にはないセンス。勉強になりますっ
ピンクのパステルでぬり、ピンクの水の泡のような模様が流れるように描かれ、リボンがついているという、なんともガーリーな作品。
その日のうちにお母様から頂いた写真。引越しされたばかりの、これからコーディネートする環境に吊るされた彼女の作品。なんだか、ワクワクしますね。
そして、次の日には収納の中に吊るされてました(!)ドールハウスのようで可愛い☆なんてアイデア!素敵過ぎますっ。なにより、色々実験するっていう心意気に感動します。
自分で作った照明で、自分のお部屋を素敵に飾ろうとする子供たち。そんな子供たちが育ったら、自分のお部屋をどんな風にコーディネートするんでしょう?楽しみですね。
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●土橋陽子の活動●
夏休みに、子供向けのワークショップを開催しております。
10年ぶりのデザインになる、紙(バルカナイズドファイバー)で照明を作ります。
おかげさまで、ほとんどのクラスは定員に達しました。現在、24日(金)14:30~のクラスのみ、参加者募集しております!!!
お申し込みはイデーHPよりお願いいたします。
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by dobashiyoko
| 2012-08-18 18:39
| 照明