10年ぶりの照明デザイン奮闘記その4-下町工場編
㈱竹尾さんの、ものづくりにお詳しいAさんの車に乗せられて、知らない町(墨田区)の工場へ通っています。
東京にはいろんな町があるんだなぁ・・・面白い。
あれ?
なんか、私の照明にそっくりなフシギな形の模型がある・・・
正解というか、私のデザインした照明はこういう組み立てになるはずなんだけど・・・
どうして、同じ展開図で違う形が出来たのだろうと見てみたら山折りと谷折りが逆になっていて、つじつまが合わないところには手で折り線を作られていました!!これを「加藤モデル」(工場の加藤さんが作ったから)と呼ぶことにします。
エンボスならぬ「デボス」の真鍮製の型もできてました。(型の作り方の違いで、出っ張らせるのがエンボス。へこませるのがデボスだそうです。「厚紙はデボスのほうがきれい」by加藤さん)
折るための「スジ」のガイドラインを型の位置にあわせるのですが、
その前に、念入りに紙目を確かめる若い職人さん(加藤さんモデル作られたご本人!)
*紙目とは紙をすくときの都合で出来る繊維方向のことで、紙目に沿っていると曲げやすいのです。
紙目を間違えない工夫で、完成形は正方形なのに、長方形の紙を入れてくれるAさん(さすが~♪)
セッティングを終え、型のついた鉄板のような部品をがちゃりと横に倒します。
「神の手をもつ」と言われる熟練職人でもある社長さんに見守られながら、ドキドキの1回目。
足元にあるクラッチを調節して、型抜きは「どれだけの深さまで刃を紙に差し入れるか」で、スジの入れ具合や、デボスの具合をコントロールするそうです。
初めて切り抜かれたバルカナイズドペーパーの「ファーストモデル」!!!
3箇所ぴりぴり破るのと、折る手が震えますっ
高鳴る気持ちをおさえられないまま、気になる部分をチェック。
・・・デボスが出ていない
マイクロミシン刃の「ぴりぴり」が「びりびり」な気がする。
なんか、いろんなことを「距離」で制御しているとは知らなかったので、厚みを盛ったり削ったりする「職人技」に、自分のデザインが支えられていることを知って頭が下がります。
やっぱりデータでやったら、こういうドキドキはないんだろうな。
(ないほうがいいのか、あるほうがいいのか?あるほうが楽しいけど・・・)
で、色々改良されて後日送られてきたデボスのサンプル。
可愛いです♪
やっぱり、型でつくる「味わい」の不確かさが魅力なのです。(私だけ?)
そして、社長が遊びで作ってくださった「フェラーリレッドのプライク(紙の名前)を表面に貼ったバージョン」!
イタリア製の紙は、色がいいなぁ。
「どうして日本では50年代~70年代にあった赤の色がないんでしょ?」と聞くと、
「イタリアは規制の基準が低いですから」と即答のAさん。素敵です。
本当にものづくりって一人ではできなくて、こうやって「プロ」の方に支えられて出来ていくんですよね。
すばらしいなぁ。
**************************************************************
●土橋陽子の活動●
夏休みに、子供向けのワークショップを開催しております。
10年ぶりのデザインになる、紙(バルカナイズドファイバー)で照明を作ります。
現在、参加者募集しております!!!
お申し込みはイデーHPよりお願いいたします。
関連記事
「照明ワークショップの参加者募集しまーす」
「10年ぶりの照明デザイン奮闘記」
「10年ぶりの照明デザイン奮闘記-その2」
「10年ぶりの照明デザイン奮闘記-その3」
「10年ぶりの照明デザイン奮闘記・その5-組み立て合戦」
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折るための「スジ」のガイドラインを型の位置にあわせるのですが、
その前に、念入りに紙目を確かめる若い職人さん(加藤さんモデル作られたご本人!)
*紙目とは紙をすくときの都合で出来る繊維方向のことで、紙目に沿っていると曲げやすいのです。
紙目を間違えない工夫で、完成形は正方形なのに、長方形の紙を入れてくれるAさん(さすが~♪)
セッティングを終え、型のついた鉄板のような部品をがちゃりと横に倒します。
「神の手をもつ」と言われる熟練職人でもある社長さんに見守られながら、ドキドキの1回目。
足元にあるクラッチを調節して、型抜きは「どれだけの深さまで刃を紙に差し入れるか」で、スジの入れ具合や、デボスの具合をコントロールするそうです。
初めて切り抜かれたバルカナイズドペーパーの「ファーストモデル」!!!
3箇所ぴりぴり破るのと、折る手が震えますっ
高鳴る気持ちをおさえられないまま、気になる部分をチェック。
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マイクロミシン刃の「ぴりぴり」が「びりびり」な気がする。
なんか、いろんなことを「距離」で制御しているとは知らなかったので、厚みを盛ったり削ったりする「職人技」に、自分のデザインが支えられていることを知って頭が下がります。
やっぱりデータでやったら、こういうドキドキはないんだろうな。
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で、色々改良されて後日送られてきたデボスのサンプル。
可愛いです♪
やっぱり、型でつくる「味わい」の不確かさが魅力なのです。(私だけ?)
そして、社長が遊びで作ってくださった「フェラーリレッドのプライク(紙の名前)を表面に貼ったバージョン」!
イタリア製の紙は、色がいいなぁ。
「どうして日本では50年代~70年代にあった赤の色がないんでしょ?」と聞くと、
「イタリアは規制の基準が低いですから」と即答のAさん。素敵です。
本当にものづくりって一人ではできなくて、こうやって「プロ」の方に支えられて出来ていくんですよね。
すばらしいなぁ。
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●土橋陽子の活動●
夏休みに、子供向けのワークショップを開催しております。
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現在、参加者募集しております!!!
お申し込みはイデーHPよりお願いいたします。
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by dobashiyoko
| 2012-07-10 15:15
| 照明